地域の農水産品を加工して商品にするまでの壁とそれを乗り越える支援

北海道は、豊富な農水産品に恵まれています。素材そのものも商品になりますが、加工品を商品として販売することも、新たなビジネスとして取り組む方が多いです。

いろいろなパターンはありますが、初めて食品加工に取り組む場合、次の点が大きな壁になります。
(1)商品として製造する仕組みを作ること。
(2)賞味期限や流通方法を決めること。
(3)食品表示の内容を決めること。
(4)地元の道の駅や商店、イベントでの出店を超えて、地元外に販路拡大すること。

(1)については、家で試作品を作って、近くの知人などに食べてもらい反応を見ながらレシピを作ることまでは比較的容易にできます。しかし、それを商品として製造して販売するとなると、食品衛生法に基づいた許可を得る必要がありますし、簡易であっても加工施設を作る必要があります。
食品衛生法に基づいた基準は、製造販売に商品によって異なりますが、家で調理したり、調理したものを冷蔵庫で保管するレベルとは、大きく異なる厳しい内容を求められます。ある程度専門的な知識が必要になりますし、その基準を満たすために必要な最小限の設備を準備するために費用も必要になります。
加工食品の商品化の最初の大きな壁はこの点になるでしょう。

(2)の賞味期限や流通方法を決めることも、容易ではない場合があります。賞味期限は実際に試してみなければなりません。より難しいのは流通方法です。焼き菓子のように常温流通で問題ないものはいいのですが、冷蔵や冷凍をしなければならないものになると、そもそも想定している販売先においてもらえるかどうかも含めて検討しなければなりません。常温流通でもレトルト加工をしようとすると、自身で設備を持つことは難しく、外注せざるを得ないですが、道内できちんと加工できる事業者は限られています。
(3)の食品表示も、年々厳密さを増しており、その時点で必要とされる内容を網羅しなければならずその情報収集が必要です。

(1)~(3)の壁を乗り越えるには、食品衛生法に基づく指導を行っている保健所からの助言を最終的には得て許可をもらう必要がありますが、その前段では、企業支援をミッションにしている専門家、具体的には地域の食品加工の試験研究機関に相談し、情報を得たり、可能であれば、実際に加工現場で指導をしてもらったりするなどの公的な支援の活用するのが望ましいでしょう。

(1)の設備整備に関しては、農林水産省の事業で6次産業化という事業の中で、農水産品の加工設備に対する補助制度などがあります。ただ、それなりに規模が大きいものを想定しているので、自己資金や市町村によっては制度化している補助制度などを活用するなどして、まずはまずは最小限の内容で食品衛生法に基づく許可を得て製造できるようにするのが望ましいです。

(4)については、ある程度地元でも買ってもらえるなど評判になってからの仕掛けになることが多いと思いますが、そこからさらに販路を広げようとすると、もう一つ大きな壁が現れます。その場合は北海道庁で運営している北海道どさんこプラザでのテスト販売やバイヤーへの売込みなどの支援制度がありますので、別に投稿した内容を参考にしていただければ幸いです。

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