補助金を活用しようとする事業者の方には、敢えて補助金がほしいために、自分のやりたいことを敢えて、補助事業に目的に寄せる形に見直して申請する方がいます。そして採択を受けた方もいます。
中には、申請を受ける担当者が、こういう内容だったら対象になるのですが、といった助言を踏まえて、自身の事業の方向を見直される方もいます。
しかしまず、押さえておかなければならないのは、次の点です。
・補助事業の採択を受けた以上は、その申請内容に沿って事業を行わなければならないこと。
・申請を受ける担当者の助言は、あくまで助言で、それを取り入れるかどうかは、申請する事業者の責任であること。
助言をした人が、助言をしたことに責任を持つ、というわけではないのです。
だから、好意でしている申請を受ける担当者の助言でも(実際、悪意なく助言する担当者もたくさんいます)、申請者自身にとって最終的に自分の責任で受け入れられるかを熟慮して判断する必要があります。無理をした申請は後々の後悔につながることが多いです。
自分の行いたい事業内容の方向と概ね方向が一致しており、補助事業の目的の範疇で収まれば問題はないです。
しかし、申請者の当初の方向から事業内容を変えてあまりに大きく補助事業の目的に寄せてしまうと(例えば、商品製造のための設備導入の支援が欲しかったけれども、試作のための設備に対する補助申請に変更する、などがあり得ます)、採択を受けられたとしても結局後々申請者がこんなはずではなかった、と後悔したり、状況によってはやはり納得がいかないと助言した申請を受ける側ともめることになってしまうこともあります。
実際に、補助金と言っても事業費の全額を補助されることは稀で、自己負担は必ず生じますから、助言に沿って申請をして採択はしてもらえたけれども、やはりやりたい方向でやりたいのでなんとかなりませんか、という話が出てくることはあります。相談を受けた採択した担当者には、何とかしようと努力する方もいますが、どうしようもない、ということも多いです。
申請前の段階でなるべく早く、自身の事業に対して補助事業がうまく活用できるか、この投稿の内容であれば、自分の行おうとしている事業が、補助事業の目的にもあっているかどうかを、しっかり見極め、合わなければ無理して合わせるのは避けるのが無難でしょう。
※この投稿は、自著を大幅加筆修正して掲載しました。