別の投稿で、ある程度目処が立ったら、申請窓口に申請の可否を相談するのが早い、と書きました。
ただ、それだけの投稿では身も蓋もないと思いましたので、基本的な補助金の公募要領や補助要綱の読み解き方を記します。
ここでは補助対象経費が具体的に定められているもの(機械設備費、試作に要する材料費など)について記します。
補助金の公募要領や補助要綱は、次の内容が記されています。
(1) 補助の目的
(2) 補助対象者
(3) 補助対象事業
(4) 補助対象経費
(5) 補助率、補助上限額
(6) 審査基準
(7) 申請方法(申請書の書式、添付しなければならない書類)
(8) その他(補助金を用いて買った財産の処分の制限など)
多少順番が入れ替わっていたり、書いていないこともありますが、概ねこの順で書いてあります。
基本的な文書の構成は、(1)の目的でまず補助金の大枠を記して、(2)以降は順次、その内容を具体的に記して行く流れです。注意しなければならないのは、(2)以降順次具体的な内容を定める中で、実質的に対象となる申請が絞り込まれて行きます。
そういう訳で、(1)~(4)の補助対象経費の記述を全て満たしていないと、対象とはならない、ということになります。
例えば、申請しようとしている内容が(1)~(3)までの目的から補助対象事業までは満たしていても、(4)の補助対象経費に規定がなくてその経費は少なくとも対象外、ということはよくあります。
(5)は補助金額に関する規定ですが、補助率や補助上限額が低いと、申請や採択後の手間を考えると申請しないで自己資金でやろうという判断になることもあります。
(6)は、申請対象で申請出来たとしても、申請金額の全件の合計が予算枠を上回る、いわゆる競争的な状況になった場合に、どういう観点で評点を付けて順位を付けて採否を決めるかが記されています。申請することにした場合には、この審査基準でなるべく高い評点を取れるように、申請書の内容を工夫する必要があります。
(7)は申請に当たって具体的な手続きを定めており、(8)は採択後の扱いなどについて、主に記されています。
(7)を見て申請手続きの煩雑さに気づいたり、(8)で補助金で買ったものの扱いにいろいろな制約があることに気が付くことも多いです。
ざっと追うとこういうような内容です。自分できちんと調べてから、窓口に相談したい方の参考になれば幸いです。