経済産業省の平成30年度第2次補正予算案の概要(PR資料、P.23)と令和元年度補正予算案の概要(PR資料、P.34)を比べると、これから新年度にかけて行われる見込みである主な経済産業省の事業が今年度のこれまでの事業とどう変わるかが、概ねわかります。
例えば、事業承継に関して言えば、共に「事業承継・世代交代集中支援事業」というが1ページでまとめてあり、これらを並べてみると違いがよくわかります。
事業承継・世代交代集中支援事業についていえば、以前から行われる方向と言われていた後継者不在の中小企業が、後継者選定後に行う支援については、実証試験事業として、「承継トライアル実証事業」を行い、実際に全国で60社程度での実証事業により、後継者教育の有効な内容や型を明らかにし標準化を進めることで、円滑な第三者承継の実現をする、という内容となっています。
また、後継者が、会社の抱えている各種債務等の経営者保証を引き継ぐことへの不安を抱えていることが、事業承継の壁の一つになっていることに着目して、経営者保証解除に向けた専門家による支援・確認を行う事業を新設することになっています。(経営者保障解除に向けた専門家による支援)
その他にも、これまでも行われていた「プッシュ型事業承継支援高度化事業」の強化を図り、地域密着型で専門家派遣等を行っていくことが記されています。
金額的には大きく増えたという印象ではありませんが、新たに増えた事業は、後継者の人材育成や後継者が承継する上での金銭的な負担、事業承継に必要な知見を事業者が得られる機会の増加に着目した、必要とされる事業と言えるでしょう。
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