食品製造を行おうとした場合の課題と公的支援の活用の例

前の職場で、食品製造を行おうとする方の相談対応をしたことがありますが、多かった相談は、次の内容でした。

(1)食品加工をする際の許可を得る必要はあるのか
(2)食品表示はどうしたらよいのか
(3)賞味期限はどのようにして、決めたらよいのか
(4)現在の商品であれば、冷蔵流通が必要で賞味期限も短いが、常温流通で賞味期限も延ばすにはどうしたらよいか

(1)~(3)は、初めて食品製造を行おうとする場合に、相談されることが多いです。

(1)については、保健所の所管になります。

(1)については、食品衛生法に基づくどのような許可が必要かを知る必要があるので、そちらに相談していただき必要な許可を得ていただくことになります。

(2)については、以前複数あった法律の規定がが一本化され食品表示法が成立しましたが、完全施行前ということもあってか、相談先が内容によって異なります(保健所、消費生活関係窓口等)。詳しくは、こちらのページをご覧ください。
以前に比べて、表示の規定も細かくなり、既存の食品加工事業者の皆様もしばらく戸惑いがあったように聞いていますので、これから取り組もうとしている方で承知していない方は十分に確認することが必要です。

(3)は、結論としては実際に自分である温度等の条件で、保存期間を変えてみて、どこまで問題がないかを自分で調べて決める必要があります。その具体的な条件設定や方法などは、食品加工関係を専門にしている試験研究機関(具体的な相談先は、こちらの記事をご覧ください。)に相談して確認しながら行うのがよいでしょう。

(4)は、特に乳酸菌の生きた菌を食品に入れている場合や、もともと飲食店で提供していた料理をレトルトパックに入れるなどして製造販売したい場合に問い合わせをいただきました。
前者の乳酸菌の生き菌が食品に入っており、菌が生きたままでの流通を目指そうとすると、その保存方法と賞味期限の設定が難しいことがあります(例えば、寒さに強い乳酸菌だと冷蔵していても、どんどん増えて食品の酸味が増すため、賞味期限が数日ということもありました)。
予め製造工程で加熱して乳酸菌を殺菌すれば、賞味期限も延ばせますし、死んだ菌でもそれなりに健康についての効果はあると言われています。このため、生きた菌を入れたままでの流通が難しい場合は、流通をさせず自社店舗のみの限定販売にするか、殺菌したものを流通させるなどの選択をすることになります。

また、既存調理品のレトルト化も思ったほど容易ではありません。なぜなら飲食店の厨房での加熱調理に比べて、レトルトパック製作で行う加熱、加圧による加工は過酷な条件になるため(温度が高い、圧力がかかる)、厨房での同じレシピではそのままレトルト化しても同じ商品ができるとは限らないからです。
このような場合は、飲食店でのレシピとは別に、レトルト用のレシピを制作した上での商品化を図る必要があります。ただこの作業は、経験を踏まえてレシピの仮説が立てられることが望ましく、試作も何度か行うことが必要なことも多く、レトルト加工設備自体もどこにでもあるものではないことから、一連の過程は素人の手には余ります。このような場合も、食品加工関係の試験研究機関に相談しながら、商品化に向けた取り組みを進めるのが望ましいでしょう。

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