中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画の認定~日本政策金融公庫の融資の標準金利より下げる方法の一つ

政府系金融機関である日本政策金融公庫の融資は、民間金融機関より低利であることなどから、既に幅広く活用されています。

ただ、日本政策金融公庫の融資でも、その活用するメニューによって利率が異なっており、標準金利よりも低い金利で貸付を受けることが可能です。

その一つに、中小企業等経営強化法に基づき経営革新計画を策定し、都道府県知事等より認定を受けるという方法があります。(北海道の場合は、本社の所在する地域を所管する振興局の商工労働観光課が申請の窓口です。)

経営革新計画の認定による支援は、中小企業者が、自身の今までの事業とは異なる新しい事業を行おうとする場合に事業計画や全社の損益見込みなどを所定の様式で作成して、都道府県知事の認定を受けると、様々な優遇措置が受けられるというものです。

詳しくはこちらをご覧ください。

○経営革新計画進め方ハンドブック(経済産業省中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/pamphlet/2019/download/190301kakushingb.pdf

○経営革新計画の承認手続き(北海道 経済部 地域経済局 中小企業課)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/csk/sanshin/keieikakusin/shouninsinsei.htm

認定を受けると、例えば次のようなメリットがあります。
まず、国等の支援策として、次のものがあります。

・日本政策金融公庫のより低利な融資の活用

・民間銀行から融資を受ける際の信用保証枠の拡大

・特許関連料金(審査請求料及び特許料)が半額軽減 等

また、国や都道府県に計画が承認されると様々な支援策の対象となる他、計画策定をとおして現状の課題や目標が明確になるメリットがあります。

さらに、この計画を策定することで、上記以外にも会社の信用力の向上などの有形無形な効果も期待できます。

ただ、融資の活用に当たっては、その金融機関としての審査をクリアーすることが前提になります。経営革新計画の認定が、直ちに融資そのものをOKとするわけではないことにご注意ください。

また、書類作成の量が多く事務的にはやや大変でしょう。

したがって、現実的な活用法としては、日本政策金融公庫に融資を相談する際に、合わせて経営革新計画の認定を受けることで、より低利の融資のメニューが活用できるかどうかを相談した上で、経営革新計画の認定申請を行うのが、より確実と言えます。

経営革新計画の認定による支援は上記のとおりで、補助金や助成金ほど金銭的な利点があるわけではありません。
ただ計画の認定に当たっては、計画が付加価値額の伸び率を満たしていることや、申請する事業者が今まで行っていなかった事業(商品製造販売やサービスの提供など)を事業計画として盛り込むなど、一定の基準を満たせば基本的には認定されるもので、補助金のように競争的なものではありません。申請も通年受け付けています。

御社の新事業計画の具体化も兼ねて活用するのは意味があると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。