補助金や助成金が直ちにもらえるわけではありませんが、日本政策金融公庫の融資を標準利率より低い利率で借り入れたり、法人税で、計画に基づく設備購入費の減価償却費を即時償却するか、購入費の10%の税額控除(所得控除でなく税額控除です。)などの優遇措置を受けることができる支援制度として、中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定による支援があります。
別の記事で、同じ法律に基づく経営革新計画についての記事を記しましたが、経営革新計画との違いは、次のとおりです。
・経営革新計画は今まで行っていた事業とは異なる新しい事業を行う場合が対象。
・経営力向上計画は、現在の事業を行いつつ、生産性の向上や人材育成を行う取り組みが対象。
経営力向上計画の認定は、国(業種により申請先は異なります)に申請をして認定されると支援を受けられます。
但し、設備投資については、購入しようとしている設備が生産性向上に役立つことを証明する書類を関係の工業会等からとるか、税理士による証明書を得て経済産業局(北海道の場合は、北海道経済産業局)に申請し確認書を交付してもらう必要があります。
なお、設備投資については、中古の機械は対象外ですが、新品であれば発注先のメーカーもこの制度を承知している場合が多いので、工業会からの証明書が得られるかどうかをメーカーを通して相談することも可能な場合が多いでしょう。
経営力向上計画の認定申請書そのものは経営革新計画に比べれば量も少なく、労働生産性の基準を満たした計画を作成して、上記のように工業会等からの証明書か、経済産業局からの確認書を得て申請すればいいので、一連の書類が揃えられれば、認定は比較的容易と思われます。
補助金と違って、通年申請の受付もしています。
優遇措置としては、次のものがあります。
・政府系金融機関の低利融資の活用
・民間銀行から融資を受ける際の信用保証枠の拡大
・国税の減額
・都道府県税の減額 等
詳しくは、次のホームページをご覧ください。
○経営サポート「経営強化法による支援」(経済産業省中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/
先にも記しましたが、認定を得られれば、設備取得の費用にかかる法人税について、即時償却か税額控除(取得費用の10%)(対象になる設備に基準があるので確認必要)が選択できるというのは、通常の業務に活用できる設備に対する支援という意味では、金銭的にはかなり大きい支援だと思います。
他には、いわゆるものづくり補助金があり、こちらの採択を受けられれば、補助率は1/2~2/3と大きいです。ただ、例年競争になっており申請対象にはなっても採択されるとは限らないという点でリスクは大きいです。来年度実施されるかどうかも現時点ではわかりません。
なお、日本政策金融公庫の融資を標準金利より低い金利で活用するために、この計画の認定による支援を活用したい場合は、経営革新計画と同様に予め公庫と相談した上で、計画認定の申請をすると円滑に進むでしょう。