飲食店を開業する際の支援~日本政策金融公庫の低利融資など

飲食店の開業を試みる方は多く、一方で数か月で廃業せざるを得ない方も多くいます。

飲食店は、比較的手掛けやすいのですが、自分がこんな美味しいものを作れるから必ず売れるという見込みと、顧客が実際に求めるもの(値段や品質など)が異なるなど、見込み違いが重なることもしばしばあります。

この辺のシビアな話は、実際に経営している方や経営をしたことのある方に相談した上で、次の一歩を踏み出すかどうかを考える方がいいと私は思います。

そのことを指摘した上で、それでもなお踏み出したい、という場合の、公的な相談先や政府系金融機関の支援について記します。

先ほどお話しましたが、まず実際に経験している方の話を聞ける機会があれば一番望ましいですが、もし近くにいなければ、地元の商工会議所や商工会に相談するのが一案です。

実は、飲食店開業の相談自体は、商工会議所や商工会では数多く対応しており、活用できる低利融資や、制度がある場合には利子補給(利子相当額の市町村からの補助)などの紹介もしてくれます。一方で、これらの機関は地域事情に詳しいので、相談対応して開業した飲食店がその後、どうなったかということも把握していることが多いです。

そういうわけで、商工会議所や商工会の職員の多くは、実際の経営経験者ではないのですが、相談対応の経験から、お手伝いできることと開業後生き残れる可能性が必ずしも高くないことについて、助言をもらえると思います。

また、実際に事業計画を練って、具体的に準備を進める中で、資金の確保の検討は当然必要です。規模によって異なりますが、一人でまず店を切り回すとしても什器類など諸々の設備費や当面の赤字を補填する経費も考えると数百万から1千万円程度はざっと必要になることが多いです。(実際に金額を積むと、いくら少なく見積もってもそれなりの金額になることが解ると思います。なお公的支援ではありませんが、開業前のお試しとして、週数日飲食店として必要な設備のある店舗を貸してもらえる民間事業者の運営する場所もあるので、そういったところでしばらく営業してみて、より具体的な収支の検討をするというのも一つです。)

これらの資金を自身の貯金から出せればよいのですが、なかなか難しい面もあるでしょう。
その場合は、政府系金融機関である日本政策金融公庫(国民生活事業)に相談するのがいいです。もともと民間の金融機関よりも、創業支援を積極的に行っており、飲食業で創業しようとする方向けに創業の手引という小冊子も独自に制作しています。(このページからpdfファイルをダウンロードできます。)

日本政策金融公庫の融資は、基本的には当初の必要経費の3割は自己資金、7割は融資でという考え方が一般的です。ただ、創業の場合は相談次第では自己資金がもう少し少なくても融資を認められる場合があります。
融資を活用したいということであれば、上記の創業の手引に記されている創業計画書をまず自分なりに作成してみて(助言をもらってもいいですが)、日本政策金融公庫(国民生活事業)に相談してみるといいと思います。

※場合によっては、空き店舗活用のための補助金を活用できる場合があります。詳しくは市町村にお問い合わせください。関係の本ブログの記事はこちらです。

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