いずれ、現在の仕事を辞めて独立、開業したいと思っているのですが、どのような資金確保の方法がありますか?
会社員のTさん
工藤行政書士
まず、他の方に資金の確保の相談する場合は、自分が何を売るのか、その売るものの強みや買ってもらえる動機はどういうことといった提供しようとする商品やサービスがが売れるという自分としての仮説をきちんと持つことと、それに基づいて算出した事業計画(初期投資、運転資金の額を含む)を作成しておくことが必要です。
工藤行政書士
なるほど。確かに、他の人に資金の提供などを相談するには、自分がやることをわかってもらって理解してもらわなければならないですよね。
具体的には、どのような資金の方法が考えられますか。
具体的には、どのような資金の方法が考えられますか。
会社員のTさん
工藤行政書士
まず、個人事業主であれば元入金、株式会社、合同会社等の商法法人であれば資本金の確保の方法としては、次の方法が挙げられます。
1 自己資金
2 知人(親族・友人等)からの出資
3 クラウドファンディングによる資金確保
さらに、不足分があれば、金融機関や知人からの借入という方法があります。
自己資金は、やっぱり必要なんですか?
会社員のTさん
工藤行政書士
必要と考えた方がいいです。なぜなら、他から出資や借入を依頼する時に、自分も準備のためにこれだけ貯めた、ということはそれだけ起業の準備に努力した、計画性があるといった点で、信用をしてもらうために重要です。
特に金融機関の借入の際には、自己資金の準備額の大小が、金融機関が貸出の判断をする上で重要なポイントになります。
特に金融機関の借入の際には、自己資金の準備額の大小が、金融機関が貸出の判断をする上で重要なポイントになります。
自己資金は、どのくらい必要ですか?
会社員のTさん
工藤行政書士
一つの目安は、初期投資額と当面の運転資金の合計の3割程度です。残りの7割は金融機関から借り入れるということです。根拠は、日本政策金融公庫の創業に対する融資に当たっての、実質的な要件がこの程度と言われているからです。
以前、日本政策金融公庫の自己資金の基準は、3割ではなく1割と聞いたことがありますが。それから、市町村が定めた創業の計画に基づく事業を活用した場合には、この要件がなくなるという話も聞いたことがありますが・・・。
会社員のTさん
工藤行政書士
それはおっしゃるとおりです。ただ、私が承知している範囲では、融資を希望している人の信用度を判断する際に、自己資金についても慎重に審査しており、実質的には上記のとおり3割程度と言われています。
ただ、御指摘のとおり、自己資金については最低お話のあったとおりまでとできることになっているので、自己資金が初期投資額と当面の運転資金の合計の3割程度より少なくても、相談の余地はあると言えるでしょう。
ただ、御指摘のとおり、自己資金については最低お話のあったとおりまでとできることになっているので、自己資金が初期投資額と当面の運転資金の合計の3割程度より少なくても、相談の余地はあると言えるでしょう。
知人からは元入金や資本金として、または借り入れができるとのことですが、これらの違いは何ですか?
会社員のTさん
工藤行政書士
元入金や資本金は、事業の趣旨に賛同して拠出してもらうもので、基本的に返還の義務がないものです。資本金に関しては後に配当金が入ることを期待している場合もありますが。借入は、返還の義務があるものですね。
実際に、気軽に相談しやすい側面もあって、知人からの資金提供という方法をとる方もいますが、事業がうまくいかない場合には後々関係が悪くなるなどの心配もあるので、注意した方がいいでしょうね。
実際に、気軽に相談しやすい側面もあって、知人からの資金提供という方法をとる方もいますが、事業がうまくいかない場合には後々関係が悪くなるなどの心配もあるので、注意した方がいいでしょうね。
なるほど。最近クラウドファンディングは、話題になっていますね。どのようなものなのですか。
会社員のTさん
工藤行政書士
クラウドファンディングは「プロジェクトのための資金を調達できない個人・団体が、ソーシャルメディアをはじめインターネット上で企画内容と必要な金額を提示し、広く支援を呼びかける手法。少額の資金提供者を多く集めることによって、目標額の達成をねらうもの。」(デジタル大辞泉より引用)で、元入金や資本金を集めるために行われます。現在の日本では法律的な規定から、クラウドファンディングによる見返りを求めない寄付を求める形(寄付型)や一定の特典をつけて資金の提供を求める形(購入型)が主流です。
例えば、このような事例があります。その手法から幅広い人に共感してもらえる事業目的であることが望ましく、社会的問題の解決のための手段としての事業(いわゆるソーシャルビジネス、コミュニティビジネス等)などクラウドファンディングに相性の合う事業と、そうでないものがありますね。
例えば、このような事例があります。その手法から幅広い人に共感してもらえる事業目的であることが望ましく、社会的問題の解決のための手段としての事業(いわゆるソーシャルビジネス、コミュニティビジネス等)などクラウドファンディングに相性の合う事業と、そうでないものがありますね。
金融機関からの借り入れについては、具体的にはどこに相談するのがいいですか?
会社員のTさん
工藤行政書士
創業に当たっての融資を相談するのであれば、政府系金融機関の日本政策金融公庫に相談するのが無難でしょう。なお民間金融機関であれば、地元の信用金庫か信用組合が地域密着型での営業をしているので望ましいです。
なお、日本政策金融公庫の方が、創業支援を積極的に打ち出しており、創業専門の窓口も持っていますし、様々な業種の創業の手引なども作成公表するなど情報提供もしています。また、金利も民間金融機関よりは一般には低いです。
なお、日本政策金融公庫の方が、創業支援を積極的に打ち出しており、創業専門の窓口も持っていますし、様々な業種の創業の手引なども作成公表するなど情報提供もしています。また、金利も民間金融機関よりは一般には低いです。
工藤行政書士
もし、民間の金融機関に借入を相談する場合、最初は信用保証協会による保証を付した融資を充てられることが一般的なのですが、最近は信用保証協会でも創業相談に応じており、民間の金融機関への融資を相談した場合にどのような反応がありそうか情報は得られると思います。
今までお話の合ったもの以外には、何か資金確保の方法はありますか?
会社員のTさん
工藤行政書士
国の補助金の小規模事業者持続化補助金や北海道中小企業新応援ファンド事業の運用益による助成金で創業の際の経費の一部を補助する制度があります。また、市町村によっては同様の制度を持っているところもあります。
ただ、競争になっているものが多く、申請は受理されても、必ず採択されるとは限りませんので注意が必要です。
また、雇用の予定がある場合には、その内容次第で、厚生労働省の雇用関係の助成金を活用できる場合があります。詳しくは最寄のハローワークか北海道ビジネスサポート・ハローワークに問い合わせてみてください。
ただ、競争になっているものが多く、申請は受理されても、必ず採択されるとは限りませんので注意が必要です。
また、雇用の予定がある場合には、その内容次第で、厚生労働省の雇用関係の助成金を活用できる場合があります。詳しくは最寄のハローワークか北海道ビジネスサポート・ハローワークに問い合わせてみてください。
ありがとうございました。方法や相談先などの概要はつかめたと思いますが、個別の詳しい内容について知りたいことがあったら、相談したいと思います。
会社員のTさん
工藤行政書士
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