北海道内の機械金属や電子機器などの製造業は、他の都府県に比べて全体の産業の製品出荷額に対する割合が少なく、競争力が強い企業が限られている課題があります。
また例えば、機械金属加工の事業者一つをとってみても、農業機械の製造から、製品製造ラインの機械の製造まで千差万別ですが、いずれの業種でも、人材確保の困難などから自社内での生産性の向上が課題となっています。
生産性の向上は、新たな設備を導入して効率化を図るという方法もあり、現在はいわゆるものづくり補助金という国の補助制度もあり、活用している事業者も多いですが、それ以前の問題で、製造ラインにどのように機械機器や製造要員を配置して、動線をなるべく短くして無駄な時間や作業を減らすということも、費用が比較的かからず、可能な範囲で実施がまずできます。
実際、北海道の場合は、比較的工場の面積が確保しやすいことなどもあってか、多くの中小の製造事業者で、上記のような視点で十分に検討しつくした上で、生産ラインを組んでいるとは言えない場合もしばしば見られます。
そのような時に、相談対応できる専門家が、北海道立総合研究機構の工場試験場(製品技術部生産システム ・ 製造技術グループ、http://www.hro.or.jp/list/industrial/research/iri/organization/dep-pdr/index.html)にいます。
これまで多数の生産性向上のための技術指導を行ってきており、様々な状況に応じて的確に助言をいただけるところですので、新しい設備を入れるのは負担が大きい場合や、それ以前にやれることがありそうだと考えている中小企業等の事業者の皆様におかれましては、御相談をお勧めします。
第4次産業革命とかIoT、ビックデータの活用などの話題も大事ですが、それ以前にできることがある事業者は、少なくとも道内では多いように感じます。うまく専門家の助言をもらいながら、まず身の丈でできることに取り組んでもらえたらと願っています。