専門家への無料相談の活用

現在、中小企業等の事業者を対象に、専門家に無料で相談を受けたり、一定の制限はありますが、会社や工場まで専門家に来て指導してもらい、派遣費用は派遣元負担で事業者負担がない、というものも多くあります。

相談の内容は様々ありますが、ざっくりと分けると次の2つに分けられます。(中間的な要素のものもありますが(パッケージデザインの評価など)。)

(1)商品そのものの製造等の技術的な課題を相談したい場合(工学的視点、いわゆる理系の観点)
(2)提供する商品のサービスの内容についての妥当性や経営そのもの等についての相談をしたい場合(経営学的な視点、いわゆる文系の観点)

(1)については、専門の研究者への助言をもらうということになり、具体的には次の機関が相談先として挙げられます。

・北海道立総合研究機構( https://www.hro.or.jp )
・関係の専門の研究者が所属する産業支援機関
・関係の専門の研究者が所属する大学

北海道立総合研究機構については、その組織の存立目的が、北海道の産業振興全般に資する研究や指導助言なので、組織の趣旨から考えれば最も妥当ですし、現実的に専門家の幅も第一次産業、第二次産業を中心に幅広く、どこに相談したらいいか見当がつかなければ、ここの総合相談窓口に相談するのが一番でしょう。

産業支援機関は、事業者の所在地を所管する産業支援機関に指導ができる研究者がいる場合には、活用できます。事業者の所在地の産業支援機関に専門の課題に対応できる研究者がいれば、とても相談しやすいでしょう。例えば、食品産業に関しては、旭川産業創造プラザ、オホーツク産業振興機構、とかち財団には食品加工を専門とする研究者がおり、活躍しています。

上記の二つで、相談に乗ってもらえる方がいるのが、相談に乗る機関の本来目的とも合致しているので望ましいのですが、どうしても相談に乗れる研究者がいない、ということになると大学の研究者を探すことになります。道内の大学でも、産学連携に積極的に取り組み地域に貢献しなければ生き残れないという危機感を持っており、取り組みをしています。

ただ、大学は基本的に学生の教育と教員の研究が本分で、産学連携は重要とはいいながら、現実的には相談者との間で、話がかみ合わない、スケジュールのテンポ感が合わないなど難しい面が見られます。
以前に比べると、産学連携や地域貢献の重要性は大学全体に浸透しているので、基本的には相談があればまずは対応をしていただけると思いますが、具体的に共同研究などで深く関わって取り組もうとすると難しい場面に遭遇する可能性があることも頭において向き合う必要があるでしょう。
もちろん、熱心に産学連携や地域貢献に取り組んで教育や研究との相乗効果で成果をあげている大学教員の方もいらっしゃいます。ただ、私が関わってきた範囲では、微妙な場合に出会うことがあったので、敢えて記した次第です。

(2)については、いろんなところにいろんな方がいます、というのが正直なところですが、最近相談対応できる専門家の陣容が充実しているところとして、次の窓口があります。

○北海道よろず支援拠点(所在地:札幌、北海道中小企業総合支援センター内)
https://yorozu.hokkaido.jp
事務局は札幌の時計台近くの経済センタービルの9Fにあり、相談には事前予約が必要ですが、無料で対応していただけます。こちらは、先ほど冒頭に記したように、製造技術そのものよりは、どう商品を売っていくかや財務内容を踏まえた経営方針の助言をもらうといった相談が中心になってきます。
事務局のある北海道中小企業総合支援センターは、道内主要都市に支部があり、定期的に相談対応もしていますので、地方の方もタイミングがあえば近い場所で相談対応を受けることが可能です。

また、以前より国の外郭団体として、中小企業の経営支援を行っている機関として、中小企業基盤整備機構(中小機構)の北海道支部があります。

○中小機構北海道支部(事務局:札幌)
https://www.smrj.go.jp/regional_hq/hokkaido/index.html

こちらは中小企業診断士を中心に相談に乗っていただけます。経済産業省中小企業庁所管の独立行政法人ということで、関係の助成制度も機関として持っているのが強みでしょう。

また、札幌まで出てくることが負担ということであれば、地域の産業支援機関に相談してみるのもいいでしょう。

詳しくは、こちらに投稿しましたのでご覧ください。

○「どこに相談したらいいかわからない!」そんなときはどうしたらいいか
https://bit.ly/2Zt7Mdi

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