人材確保に対する支援~行政の立場の基本は「支援」、実践は「中小企業者等の事業者」

令和元年9月時点で今、事業者の皆様にとって、大きなの課題の一つは人手が足りなくて困っているということでしょう。

私が前の職場をやめた1年余り前あたりから、全道の有効求人倍率が1倍を超えるという、統計を取って以来の状況が起き、今もなお続いています。

1倍前後で推移するのが、雇用する側にとってもされる側にとっても一番いいのですが、世の中はうまくいかないとつくづく思います。

 

長らく続いた、買い手市場と言われた雇用市場が、売り手市場に変わったことに伴って、行政などの支援も変わってきています。

以前、行政などの支援は、基本的に「知恵」、「金」、「場」の3つと記しましたが、人材確保に関してもこの枠組みの名で支援が行われています。

ただ、あくまでもいずれも支援であって、これらを生かして事業者自らどう判断し行動するかが何より重要です。

例えば、「知恵」という観点では、北海道庁が次のようなセミナーを行っています。

○中小企業経営者・人事担当者向け採用力UPセミナー(北海道上川総合振興局)
https://www.career-bank.co.jp/img/job/other/project/k-saiyou/punf3.pdf

上記の事業は、道庁の出先が民間の人材派遣会社に委託して行っているもので、今年は既に申し込みを終了しています。ただ、類似した事業は本庁などでも事業として行っています。

このようなのセミナーは、厚生労働省の出先機関の北海道労働局も含めて、いろいろ行われています。

「金」という点では、厚生労働省の助成金が幅広くあります。
メニューが山ほどあるので、ここでは個別に説明しませんが、こちらのホームページを見てもらえると、どのような助成金があるかが概観できます。

○事業主の方のための雇用関係助成金(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/

実は、事業分野ごとにもその人材不足の状況に大きな違いがあるので、特に厳しい分野に対する支援が手厚いです。
ただこれを見ただけでも、多分余りのメニューの多さ、細かさに閉口する方も多いと思います。

そのような方は、こういうことをしたいが活用できるものがあるか、ということをある程度整理して、北海道ビジネスサポート・ハローワーク(主に札幌市内及び近郊)か各地のハローワークに早々に相談に行くのが話が早いでしょう。可能なら、札幌ビジネスサポート・ハローワークがこのような支援に関する相談対応を専門的に行っているので、こちらに問い合わせるがスムーズだと思います。

「場」という点では、以前から行われていますが、「合同企業説明会」の実施や情報提供があります。北海道庁のでは、次のページで、今年度実施予定の合同企業説明会の情報提供をしています。この中には北海道庁や出先の振興局が実施するもの、民間企業で行うものも含まれています。

○道内で開催される合同企業説明会等のスケジュールについて
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/rkr/ss/H24kigyosetsumeikai.htm%3b/

行政は行政なりに、様々な支援制度を行っていますし、来年度の国の概算予算要求には就職氷河期に新卒時期で現在、非正規雇用だったり無職である方に対する就労支援の盛り込まれており、いろいろな事業がさらに行われることになりそうです。

ただ、先ほども言いましたように、行政の支援には限界があると感じます。行政が本当に成果を具体的に出すとしたら、自ら事業を行って直接雇用するしかないのでしょうが、そういう例は限られるのが実態です。行うとすれば財政負担の課題もあるでしょう。これに比較的近い内容として日本版デュアルシステムがあります。従来の職業訓練と事業者とのマッチングを合わせたものです。

基本的には、活用できそうな支援をうまく生かして自社の人材確保に繋げる方法を考えて実践していくということになるでしょう。

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