これは、平成初期から北海道で取り組まれている北海道産業クラスター創造活動による新たなビジネス開発の手法として、行われているものです。
北海道産業クラスター創造活動とは、気候風土や人口規模が類似しているフィンランドの産業政策を模範として、地域の一次産業である農林水産業からそれらを高度化するための二次産業である機械製品製造業、さらにはそれらの知見を元にして携帯電話などの電気電子製品製造業へと展開することで、地域の産業をブドウの房に実がたくさんついていくように育てて以降というものです。
最初に、その活動を提唱し実践を主導した、当時の北海道経済連合会の戸田一夫会長(故人)は、「10年偉大なり、20年おそるべし、30年にして歴史になる」と述べ、北海道経済の自立のため産業クラスター創造活動の取り組みが地道に長く続くことの必要性を説き続けていました。
そして最初の10年で、食・住・遊の三つのドメインでの様々なビジネス開発を試行錯誤して行い、その結果を踏まえてその次の10年は、食を中心とした産業クラスターの創造活動(食クラスター)を行っており、その活動もまもなく10年を迎えます。
このビジネス開発、つまり新しいビジネスアイデアを北海道で自主的に実現する具体的な仕組みは、担い手企業、必要とする専門家、プロジェクトマネージャーで構成するプロジェクトチームを個々のビジネス開発について立ち上げ、月1回程度会議を行い、課題を整理して、次回会議までにその課題を持ち帰り、解決策を準備して会議に臨む、ということを繰り返すことで、最終的に事業化段階まで育てていくというものです。
他の公的機関行っているハンズオン支援と言われるものよりも、大きく踏み込んだものです。
イメージは、つぎのページをご覧ください。
○ビジネスの創出・拡大
https://www.noastec.jp/web/d_business/index.html
○ビジネスアイディアの支援体制
https://www.noastec.jp/web/about/support.html
このプロジェクトチームの設定やプロジェクトマネージャーは、上記のホームページを運営しており、全道を活動エリアとしている北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団、NOASTEC、http://www.noastec.jp/index.html)が行っているほか、同様の手法を用いて行っている地域の産業支援機関もあります。
これまで、数多くの新たなビジネスを事業化してきており、その例のリストはこちらのページは、ご覧ください。
https://www.noastec.jp/web/business/index.php
私もちょうど北海道産業クラスター創造活動が10年を迎えて、次の10年をどうするかを議論しているときに、ノーステック財団に出向していた経験がありました。実際にプロジェクトのチームを組むか否かの判断を財団の職員と財団の委嘱したビジネス開発の専門家が行い、決まったプロジェクトのマネージメントを財団職員が担っていました。
ただ、その経費は人件費も含めれば相当の資源を投入して行っているとも言え、財団としてプロジェクトチームを組むかどうかを決める際も、ビジネスとして成立するかどうかをシビアに厳しく吟味する議論をして判断していました。
この支援方法は、様々で大きな資源を投入して行うもので、簡単に活用できるものではなかったのですが(少なくとも当時は、です。今は以前より支援の仕方も幅が広がっているようです。)、一度プロジェクトチームを組んでビジネス開発を進めると、かなり手厚く財団でもフォローをします。
特に複数の企業が共に自社の強みを生かしつつ、リスクも負ってビジネス開発を進めようとする場合、調整役としてのプロジェクトマネージャーの役割は重要です。
少々、使いにくいという印象を与えるような内容を記してしまいましたが、基本的に新たなビジネスの創出についての相談はノーステック財団としては歓迎しています。
まずは、どうしたらよいかを話し合うことから始まりますので、このような形でのビジネスモデルの実現を進めたいと考えている方には、一度御訪問しての相談をお勧めします。